Cry with pain

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「…ミク?千香の隣の部屋の?」 カマをかけたつもり…だけど。 それが出てくるのも複雑だ。 他には?って聞いてしまいたくなる。 いなかったら…彼女は特別なんじゃないかと思う。 頷くと隆太は息をついた。 「もう振った。1年以上前だろ?千香とちょっとだけよりを戻す前の話だし。ミクの性格じゃ、片思いをひたすら続けたりしそうにない。あいつも淋しがり屋だから、千香以上に男にすぐに寄りかかってすぐに彼氏くらいできてるだろ」 「じゃなくて。隆太にとって特別じゃないの?つきあおうって思ってなかった?」 「そこ、おまえに言うこと?……千香にあの朝に会わなければつきあっていた。コウに彼女奪われたこともあるし、仕返しのように奪ってやった。けど…、たとえば奪ってつきあっていても。千香に会ったら、初めて千香とセックスしたときにつきあっていた女のように、簡単に別れを切り出す。どれだけ殴られようが…別れる。簡単に裏切れる。 だから…、最後にフラれたときに俺がおまえに言ったこと覚えてない?俺、確か、おまえ以上に惚れなければ誰かとつきあうことはないって言ったはず。 何回も何回も繰り返して思い知ったから。いくら言い寄られたって無理だ。裏切るばかりになって、更に千香に尻尾を見せまくって落ち込むくらいなら、最初からやめておけって思うようになった。 また千香に会ったときに…、今度こそ…なんて思ってた」 隆太は私の体を少し離して、私の顔を覗き込むように見る。 私も隆太を見ていた。 「誰かに寄りかかりたいなら俺に寄りかかってくれればいい。迷惑なんて思わない。甘えたいなら夜中でも呼び出せばいい。車があるからいくらでも飛んでいける。俺は…どんなに都合のいい男として扱われても構わない。おまえといたい。おまえを幸せな気持ちで満たせるのが俺であればいいと思う」 まっすぐに目を見て、そんな言葉を好きな人に言われて。 思わず泣いた。 ぽろぽろ涙がこぼれて、そのままにしていたら、隆太は照れたように笑って、ハンドタオルを私の頬に当てる。 「より戻す?またフラれても、今度は本当に納得できる理由をもらうまでつきまとうぞ?」 嫌いにならなきゃ離れてくれないらしい。 隆太が納得してくれるのは、その気持ちだけ。 …わかっていた。ずっと。 逃げていた。 ただそれだけ。 私は頷いた。
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