Shallow thought

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千香にひたすら話を聞いてもらってしまった。 そのためにご飯にいこうって言っていたわけでもないのに。 千香は文句を言うでもなく、千香の考え方で私にアドバイスみたいなことを言ってくれて。 デザートも食べてお腹いっぱいの別れ際、千香は私の頭を撫でた。 「まさかスギから恋ばな聞けるとは思ってなかったよ。また聞かせてね」 なんて言ってくれる。 「そんなに意外?」 「だってあのスギに恋愛なんて…って思う」 「…私って千香の中だとどんなイメージなの?」 「カタブツ。モテそうなのに男を寄せ付けない」 何か悪口を言われてしまったように思う。 モテそうなのにって、モテたことないし。 男に声をかけられたことはなかった。 …寄せ付けないイメージで寄ってこないのかもしれない。 あまりにうれしくなくて、頬を膨らませていると千香は笑う。 「だから余計に紫苑とスギがっていうのが意外だったんだってば。スギ、真面目な男しか受け入れそうにないのにって。紫苑も軽く遊べる女しか受け入れそうにないのにって」 私に関して言うなら、そんなことはない。 遊ばれたくないけど。 真面目に恋愛したいけど。 ……千香のいうことがまちがってるとは言えないかもしれない。 「でもっ、……好きになったら…どんな人でも真面目に恋愛するでしょ?」 「そうだね。遊んでる余裕なんてなくなるくらい好きになったらね。……紫苑、けっこう真面目に恋愛していたんじゃない?そんなこと言うスギが諦めつかないままなんだから。紫苑のどこがよかったの?」 私は答える言葉を考えてみた。 そんなの考えたことない。 嫌なところばかり、たくさん知っている気がする。 強引、自己中、寂しがり屋。 …寂しがるのは…好きかもしれない。 それに振り回されるのはいやだけど。 「笑顔?」 私は最初に晃佑に惹かれたものを答えてみた。 「……ねぇ?楽しくもない相手と一緒にいて、楽しくもないつきあいで、いい笑顔になれると思う?誰かに魅力的だと思われる笑顔になれると思う?そんなに演技がうまい人のような気がしないんだけど」 千香は穏やかな笑顔を見せて言ってくれた。 …うん。 気に入って…くれていたし。 私は晃佑の笑顔を思い出して。 また恋しくて泣きたくなった。 会いたい。 今すぐ。
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