Catch you up

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泣いて、泣いて、凍えて震えて。 ヒール痛いし、ストッキング伝線しまくりながら、靴を脱いで歩いて。 足の裏冷たいし、体は凍えるし、心は痛いし、泣きながらひたすら歩いて。 気がついたら家にいた。 足は痛くて血も出てた。 5駅歩いた。 でも胸のほうが痛くて、着替えることもできないまま、部屋の座り込んでいた。 気がついたら眠っていて。 起きたら目が腫れていた。 不細工な自分の顔を見て、お風呂に入って、足の手当して。 また泣きながら眠ってた。 真夜中に熱くて目が覚めた。 体温計なくても熱が出ているのがわかった。 喉が乾いたから水を飲んだら、キッチンで倒れた。 次に気がついたら、ベッドの中にいた。 どうやって自力でここにたどり着いたのか。 ぼんやりしながら、また喉が乾いたから水を飲んで、飲んだら水を吐いた。 病院いかなきゃなんて思うのに、このまま死んでもいいかなと、寒いキッチンに座り込んで目を閉じる。 しんどい。 体はだるいし、目眩がする。 吐き気もするし、悪寒もする。 立っていられない。 風邪なんてかなり久しぶりにひいたかもしれない。 冷たいシンク台に頭を当てて、息切れのような呼吸を繰り返しながら、意識が時折飛んでるのを感じていた。 どこかで携帯が鳴ってる。 きっと床に散らばった鞄の中身。 どうやって散らばったのかも覚えてない。 床に這いつくばるように動いて、携帯にふれて、そのまま通話ボタンを押した。 誰かが何かをしゃべってるような気がする。 誰かはわからないし、声が出ない。 荒い呼吸ばかり。 また意識が途切れた。 もしも私がここで死んでも、誰も気がつかないだろう。 それは私が自分の親にしてみせたことの報いだろう。 …そのほうがいいように思う。 どうせ私は上手く生きられない。 私みたいなのをかわいがってくれる人はいるけど、私だけかわいがってくれるわけじゃない。 私がここに生きていても何もできない。 ねぇ?私はなんのために生まれたの? 私なんて生まなきゃよかったって言ってたよね、お母さん。 私なんて生まれなきゃよかった。 …愛されたい…。 愛して。
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