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仕事にいくようになって、またストレス溜めて、休みの日は打楽器をばしばし叩いて発散。
路上でパーカッションセッションする友達がいてよかったと思う。
何かグループ名みたいなのつけようかと盛り上がっていると、隆太が迎えにきてくれたのが見えて、ささっとその場を引き上げる。
隆太のところまでいくと、隣に紫苑がいた。
紫苑に会うの禁止とか言っていたのは隆太のくせにって思う。
「隆太の用事、紫苑とデートだったの?」
「気持ち悪い言い方するな。ここにくる途中会っただけ。千香がストリートで演奏してるのが見たいって」
隆太はそんなふうに紫苑がここにいる理由を告げた。
「今日はもうしない。桜見ながら散歩する約束だったでしょ?」
隆太に言うと、そういうことらしいと隆太の視線は紫苑を見て、私も紫苑を見る。
「なに?デートの邪魔?…というか、千香、変わってないな。耳が聞こえなくなっていたはずなのに」
「どっちかっていうと死にかけていたけどね」
「あぁ、知ってる。電話して、様子が変だったからミクに見に行かせたの俺」
かなり驚いた。
まさか紫苑だったとは思わなかった。
だってお見舞い、一度も来てくれていない。
紫苑だったらきてくれそうなものなのにと思うと、何かが裏切られた気もしてくる。
本音を言えば誰にも連絡とろうとしないくせに入院は淋しかった。
「なに?俺、知らない。死にかけ?」
なんて隆太が今さらのように言ってる。
言ってない。
入院していたことも隆太は知らない。
だって電話もメールもその間こなかった。
紫苑のほうがメール相手になってくれていたと思う。
「…おまえ、千香が退院するまでうじうじしていたのか。てっきり見舞いいってるものだと思ってた。おまえがうじうじ、じめじめしている間、千香は高熱で肺炎になってベッドにぶっ倒れてた。俺は千香から見舞いにきてとも言われていないし、メールしていただけ。知花にも言ってやらなかった」
「教えろよっ!」
「自分が連絡とってなかっただけだろ。人のせいにすんな。俺に千香にかまうなって言いまくったのはおまえだろ」
「教えるべきこともあるだろっ。おまえが見舞いいかないなら、俺がいってもよかっただろっ?」
「千香とのこと、いくらでも手を貸してやっていたのに感謝もなく俺を邪魔扱いしたのはおまえだ」
なんて言い合いから始まり、蹴りあいとなる。
隆太と紫苑のパターンだ。
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