Ceaseless happiness and sadness

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「私をけなしたら隆太はどう言うの?」 ぶつぶつと親の文句を言い続けている隆太に聞いてみた。 「男好き」 甘くはないと思っていたけど、そうはっきり言われても、頬がひくつくものだ。 しかも迷うことなく、はっきり言いきりやがった。 確かにけなせと私が言った。 言ったけど、少しは迷ったり言い淀んでもらいたい。 絶対こいつ、他でそうやってけなしていやがるっ。 「頬ひくつかせてないで、反論あるなら言え」 反論…。 「認めてる部分もある。紫苑のこといいなぁと思うこともあるし、職場の社員がちょっと気にかけてくれるとうれしくなるし、男にちやほやされるの好きだし」 たぶん男好き。 つきあいやすいから好きっていうだけのものでもないと自分で思う。 「認めんなよっ。コウはおいといて、職場の社員とかいう俺の知らない男が出てきたんだけど?」 嫉妬しまくり。 職場の社員にそこまで嫉妬してくれなくていい。 焼肉食べにいっただけで、あとは個人的に連絡とってない社内だけの関係だ。 疑われる要素があるのはわかっているけど、キスはするかもしれないけど、えっちはそう簡単にしない。 そこくらいは信じていてもらいたいところだ。 「別に深い関係でもないよ」 「深い関係なら問題ありすぎ。俺だけいればいいって千香はならないのか?」 不満そうに言われた。 思えば隆太の最近の女関係あまり知らない。 学校に女の子いないわけじゃないはずなのに、尻尾見えない。 隆太なら尻尾出しそうなのに。 「隆太は私だけ?」 「俺のどこを見れば、おまえ以外の女と遊んでいるように見える?昔、女友達つくらないほうがいいっておまえに言われてから、トモちゃんくらいしか女友達といえるような女はいないけど?」 たぶん本当なのだろう。 女友達が隆太にいたら、まわりをうろついていそうなのに見えないし。 ミクというのがいるけど、ミクははっきりと私に言ってくれた。 隆太が私のことしか考えられないなら…。 「わかった。プロポーズ、もう一回してくれる?」 「何回でも。今度はどんな言葉言おうか?シンプルに…俺と結婚してください」 恥ずかしげもなく隆太は言ってくれる。 何回でも言ってくれるらしい。 私のほうが恥ずかしくなる。 「…幸せにしてね」 そう答えてみると、隆太は本当にうれしそうな笑顔をくれた。 あなたの笑顔を見れるときが一番幸せに思う。 Fin 2012.9.5
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