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そもそもコウの元カノしかまわりにいないとなる状況を考えてもらいたい。
つまりはそれだけコウがいろんな女とつきあってきたわけで。
いつもフラレるのはコウで、女はいつもの連れという中から離れたくないようで。
コウがフラレる文句はいつも同じ。
友達に戻ろう?
キスもセックスもした女と別れても変わらない態度でいられるコウでもなく。
その波紋がコウのまわりの男にくる。
コウが構ってやらないから、まわりの男に絡んでくる。
コウはコウでまたどこかで彼女つくってる。
女がきれたのを見たことがないくらい、すぐに彼女ができる。
そうしたら別れた女も気分よくもないらしく、誰でもいいのかと言いたいくらいに絡んでくる。
俺にとっては悪循環。
どうやってもコウの元カノしか俺に巡ってくることもない。
彼女というものやキスやセックスに興味はあっても。
迫られても。
他のやつみたいには俺は受け付けられない。
初めての彼女がコウのお古というのは俺のプライドが許さない。
俺が惚れているなら、なんでもいいだろうけど、惚れてもいない。
放課後、俺は自転車通学。
コウが彼女を荷台に乗せてデートにいくと、わいわい騒いでいた奴らも自然とじゃあなという流れになる。
俺は予備校がある。
高校3年、受験生。
中学受験も高校受験もレベルの高いところを狙わされて、ことごとく失敗して、大学こそはと親に無理矢理通わされることになった。
めんどくさい。
わざわざレベルの高いところに行きたくもない。
普通の大学なら予備校行かなくても受かるだろう。
予備校なんて行きたくない。
勉強なんて学校以外でしたくもない。
「隆太、後ろ乗せて。送って」
徒歩通学の奈緒美は自転車置き場でだらだらしていた俺に声をかけてくる。
解散はした。
いつもの連れもいなくて、6限終わってから時間もけっこうたっていて二人きり。
奈緒美は俺に絡んでくるコウの元カノ。
「麻美たちと帰れよ。まだ追いつけるだろ」
「隆太と一緒に帰りたかった。…家、寄っていかない?」
「なにそれ?つきあってもいないのに」
「もうっ、冷たいなっ。あたしが隆太を狙ってるってわかってるくせに意地悪っ」
だからって家に呼ぶのは違うだろ。
いかにも手を出してくれじゃないか?それは。
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