Shallow thought

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それでも…トモが恨むのは私一人なのだろう。 すべてひっくるめて言うなら、私が気に入らなくて、嫌いだから。 …聞かなくてもわかる感情だってある。 私は犯された。 何人の男がいるのかもわからない。 目を開けたくもない。 悲鳴も抵抗の声もうめき声にしかならなくて。 自由のきかない体をばたつかせても、なんにもならなかった。 涙は勝手にこぼれて、きっと顔も髪もぐしゃぐしゃだった。 トモが満足するまで、私は犯されて。 意識を失っていた体に痛みを感じて意識を引き戻される。 目を開けた。 目の前に満足げな顔を見せるトモがいた。 「汚い体。いい気味」 好きなように罵ればいい。 次は殺されるんでしょ? 私はまた目を閉じる。 意識は朦朧としていて、自分が今どんな態勢で、どこにいるのかもよくわからない。 そんな私の頬をトモは思いきり叩いて。 私の頭が顔が揺らされた。 ガムテープを口からはずされる。 痛みも、もう、よくわからない。 「ムービーも写真も撮ったから。警察に言ったらネットで流すよ?」 そんなトモの声だけは聞こえて。 浅はか。 私は思って、鼻で小さく笑った。 当たり前のように叩かれて、当たり前のように私の体を蹴ってくる。 「なぁ、コウ呼ばない?見せたら楽しいことになるかも」 男のそんな声が聞こえて、トモはびくっと体を震わせた。 「なに考えてんのっ?やめてよ。冗談じゃないっ!」 「コウを振った女だろ?一緒になって虐めてくれるかもよ?」 「やめてっ。電話しないでっ」 トモは私から離れて。 目を開けると、頭がイカれた男がトモをからかうようにしながら電話をかけていた。 手を伸ばして止めようとするトモをかわしている。 電話は繋がったらしい。 「コウ、今からカズの家来ないか?おもしろいもの見れるぞ。……あー、ちょっとやってる。おまえがそういうの嫌いなの知ってるけど。……パーティーじゃなくて。おまえの元カノ。チカだっけ?いるんだけど」 男が話し出すと、トモは声をあげずに必死になって男から携帯を奪おうと手を伸ばす。 男はトモをかわしまくりながら、ベッドの上に転がされたままだった私に近づいてきた。
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