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俺の放課後は千香のためにある。
学校いきたくないってくらいにだるくても、千香に会うために学校にいく。
千香は積極的で。
俺が固まるのもわかってるはずなのに抱きついてくる。
前からこられて、俺は参りましたと言わんばかりにその背中にふれてみた。
小さい背中。
ぎゅって抱きしめたいのに、まだ緊張する。
手汗かいて、もうだめって逃げて、千香は不満そうで。
喜ばせて笑わせたいのに、押され過ぎて。
完全、千香のリードのつきあい。
俺、一緒にいられるだけでも満足なんだけど、スキンシップ必要？
妄想の中の千香が言う。
「甘えたいんだってば」
そんなかわいい顔して怒るな。
俺が奥手なのはもうバレただろ？
俺が甘えてるんだよ。
毎日が大切。
「隆太、彼女待ってるぞ」
千香に聞こえるように、わざと大きな声で連れは言う。
千香は俺のほうを見てくる。
俺はこっちを見るなと手で払って、千香は不満そうに頬を膨らませる。
だからそんなかわいい顔で怒るの禁止。
俺のまわりで男どもが笑って、かわいいかわいい言いやがる。
冷やかされる。
キスした？セックスした？なんて聞いてきやがる。
「千香っ、先にいつものところに行っておけよっ。すぐいくからっ」
「なんで一緒にはダメなのっ？」
おまえがモテるから。
更に冷やかされる。
なんて俺が答えなくても、しっかり冷やかされまくった。
うれしいけど恥ずかしい。
根掘り葉掘りつきあいを聞かれたくもない。
早く帰れと耳を塞いでいたら、やっと帰ってくれて、教室には俺と千香だけ。
彼女できたと言って、思わず自慢するように千香だとは言った。
かわいい彼女だと誉められるのはうれしいけど、そのあとにいろいろ聞くのはやめてもらいたい。
「冷やかされたくないからだっ」
俺はさっきの千香の言葉に答えてやる。
頭痛い…。
「…原田さんとつきあってるからじゃないの？」
なんでそっち？
これだけ冷やかされてもなんで平気？
「つきあってないっ。俺の彼女はおまえだろっ。…とりあえず帰ろう」
俺は鞄を手にして教室を出る。
廊下で振り返っても千香はこない。
拗ねていやがる。
かわいいから拗ねるのも禁止だ。
俺は千香を迎えに教室に戻る。
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