Baby lover(Ryuta↓all)

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少し我慢はした。 雰囲気ぶち壊しそうで我慢はした。 ただ、千香のことだと、何も言わないでいると、しばらくこのままにされる。 「……千香、ちょっと…」 「苦しい?」 「…息、うまく…できない」 必死に言うと、千香は笑って、俺に抱きつきながらブランコから降りて俺から離れる。 必死でちょっと覚えてないけど、思いきり千香の肩にキスしていたような気がする。 しかもべーったりくっついてくれるから、なんか柔らかいものを感じた気もする。 苦しかったけど。 俺は千香から目を逸らして、なにこのラブラブとにやけそうになる口元を隠す。 重なった。 気持ちが重なると俺にはすぐにわかるかもしれない。 千香は笑うし、俺の鼓動はドキドキする。 「…目、逸らしたらまた抱きついちゃうよ?」 「……ダメ」 「抱きついちゃう」 「ダメっ」 俺は千香から距離をとろうとして、千香は俺の腰に腕を回して抱きついてくる。 俺は慌てて千香の腕にふれて、強くべったりされることを防ぐ。 またドキドキしてる。 赤くなりそう。 「なんでダメなの?原田さんにたまに抱きつかれてるくせに」 「……恥ずかしいから」 奈緒美に抱きつかれても、ドキドキもしないけど。 千香に抱きつかれると、ドキドキしまくり。 千香は俺の答えに不満そうにべったり体を寄せて俺の顔を見上げてくる。 …下半身、千香の体にふれてる。 しかもそんなかわいい顔で上目遣いは反則だ。 更に千香はその胸の柔らかさを俺の胸に押し当てて、俺の体を引き寄せるように強く俺の腰を抱く。 観察するように俺の顔を見ないでもらいたい。 顔、赤くなってるのはあまり見られたくない。 「……のぼせて鼻血出そう」 本気、ヤバい。 「えっち」 「千香がしてるんだろっ」 恥ずかしくなって言っても千香は離れない。 俺の肩に軽く頭を寄せて目を閉じて、べったりぴったりくっついたまま。 俺は千香の髪に鼻先を埋めて、我慢しきれずにそこに唇を当てる。 ここまでしてキスしてくれないのも意地悪な彼女。 俺が襲いかかりそう。 その顔、その唇、その首筋。 俺の唇がふれたがる。 そこに見えてる耳も全部かわいい。 もうちょっとっと千香の背中に手を当てた。
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