Breath

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俺だけが見るなら、本当は全然構わない。 俺の下心満たしてくれてありがとう、くらいは思う。 でもパンツ見たからって…。 そこまで変態じゃない。 しかも千香のパンツは何度も見せていただいている。 今日のはちょっと大人っぽくて…。 なんて思っていたら、千香は俺に見せるようにぴらっとスカートをあげてくれて、俺はしっかりと千香のその白い太ももやパンツ全体を見て、慌てて千香から顔を逸らす。 …変態かも。俺。 千香が水着姿になったりしたら、じろじろ見てしまいそう。 「むっつりすけべ」 からかうように言われて俺は赤くなる。 それはある意味、言葉責めだ。 千香が言うから恥ずかしくなる。 俺の下心。 「千香が見せてるんだろっ」 「…見えた?何色?」 「……なんか大人っぽい水色」 つるつるしてそうな素材にレースついてて…。 細部まで言えそうだ。 「えっち」 その通りです。 妄想の中の千香よりタイミングいいな、千香。 あぁ、もういや。 カッコ悪い。 謝りにきて、なんだよこれっていう…。 俺は溜め息を一つ。 「……どうせ、むっつりだよっ。おまえの前だと、なんか全部、俺、形無しだっ」 俺は千香に背を向けて軽く怒ってみせながら、下心を振り払う。 「形無しってどういう意味?」 「俺が俺っぽくいられないっていうか、何もかっこつかない。なんか謝ってばかりになるし、自分がひどく情けない」 自分がしたことは仕方ないとしても。 千香もそんなからかいはしないで、少しはかっこつけさせてほしい。 じゃないと、いつまでたっても惚れてもらえない。 下心だらけで惚れてもらえるとはとても思えない。 俺なりに一生懸命。 千香の気をひくのに何をすればいいのか、どうすればいいのか、これでも考えてる。 千香は何も言わなくなって、しばらく静かになって。 「…千香?」 俺は千香を振り返る。 千香はジャングルジムの上で立ち上がって、更に上に登る。 「……パンツ見えてる」 思いきり。 見せすぎ。 無防備すぎ。 「えっち」 それ言うのは禁止。 また恥ずかしくなる。 それを責められているわけじゃないのはわかるけど。 エロい自分を見られるのは恥ずかしい。 かっこつけていたい。 「……他のやつに見られたくないから、降りてきて」 「私は隆太のもの」 だったら降りてこい。 誰にも見せてやらない。 そのかわいい顔もかわいい尻も。
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