Shan't

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初めて晃佑を私の家に案内した。 晃佑は私をここに置いて帰るつもりはないらしく、私が動かないでいると、服や下着を私の旅行鞄に詰めていく。 「一緒に住むの?」 「そう。どうせそのまま引きこもるだろ?だったら俺んちに引きこもっておけばいい。仕事で家にいない時間多いし。 お。見たことないかわいい下着発見。これ着て?」 晃佑は私の苺柄の子供っぽいブラとパンツを手にして、にこやかに私を見てきて。 私は慌ててその手から下着を奪う。 見られた…。 子供っぽいやつ。 私もかわいいなって思って気に入ってるけど、晃佑には見られたくなかったっ。 「服、今はそのまま俺の着ておくか。チカの服、体にぴったりして痛そうだし。下着つけたら病院な?保険証ある?」 昨日はどんよりだったけど、晃佑はてきぱきと私の荷物をまとめる。 私が言っていないのに、必要かなと思うものも鞄に詰めていく。 晃佑の強引ペースに引っ張られている気がしないでもない。 …でも、強引なくらいじゃないと、私、たぶん家から出ていない。 渋々と苺ぱんつとブラをつけて、保険証を持って病院にいって。 病院のあとは美容室にいって、私はばっさりと長かった髪を切った。 頭が軽い。 ショートなんて小学生ぶりかもしれない。 というか、髪が抜かれてところどころ禿げてる。 美容室を出る時にはやっぱりフードを深く被って。 外で待っていた晃佑は、さっきの間にどこかで買ってきたらしいニット帽を私にくれた。 禿げてるのを見られたのかもしれない。 うれしいとはなんだか喜べない。 「次は飯、っと。なに食べたい?」 「…晃佑の手作り料理」 無理だろうと思いながら言っただけである。 あんな別れ方をしたのに、晃佑が何も言わずに普通にそこにいて、私を連れ回すから。 「卵かけご飯でいいか?」 それ、料理とは言わないと思う。 「あっさりしたものがいい」 「サラダ作れって?お手軽。もっと凝ったものって言われるかと思ったのに。24時間スーパーで買い物して帰ろ。ん」 晃佑は私に手を差し出して。 私はその手にふれた。 私の手を指先のほうだけ軽く握って晃佑は歩き出す。 私が…近寄りたがっていないのもわかっているみたい。
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