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つきあっていくと俺の家に彼女が泊まるのがいつものようになってきて、キスしていちゃいちゃ。
ベッドに押し倒されるのは俺で、裸に剥かれていくのも俺。
「…っ、脱いで」
俺だけ脱がされて襲われてるのがいやで、その唇に感じて吐息をあげてしまいながら、彼女の服を脱がそうとして止められる。
「だめ。隆太のえっち。ここ、大きくなってるよ?」
なんて責められると俺は弱いらしい。
もっと襲ってと彼女に甘えて、初めて女にイカせてもらった。
このままセックスって今度こそは彼女を襲おうとしたら、彼女の携帯が鳴る。
彼女は慌てたように着信に出る。
「…うん、今…友達の家」
なんて俺を彼氏と言ってくれない。
「今から?…うん、いく」
俺を気まずそうに見る。
これは…もしかして…。
いやいや、ここを逃したらいつ童貞卒業するんだよってなる。
体、求めてくれているし、そういう彼女欲しかったし。
「友達?今から遊びにいくの?電車ないし送ろうか?」
俺は気がついてないふりで服を着ていく。
「…隆太」
「また今度泊まってくれる?またいちゃつこう?」
俺は家を出る支度を整えて、彼女と一緒に俺の家を出て、俺の車がある駐車場へ。
「……ごめん。隆太。さっきの…元カレ。やり直そうって…そういう電話」
彼女は車に乗り込もうとした俺にそんな声をかけてくる。
言わなくてもいいのに、不器用彼女は嘘をついてくれない。
またフラれる。
「…二股でいいよ」
なんて言ってみたら彼女は泣いた。
どうして俺は別れのたびに俺がフラれてるのに泣かれるのか。
「ごめん…。無理…。そんなのできない。…いかない。やめとく。隆太の家戻る。電話する」
彼女は泣きながら携帯を取り出す。
俺に気をつかってくれてる。
電話に出たときの様子から、向こうに会いたかったんだろうに。
俺は車に乗り込むのをやめて、彼女の手の中の携帯を取り上げた。
「…いっていいよ。俺のこと振っていいよ。待っていたんだろ?連絡くるの」
「…ごめん、隆太」
彼女はぼろぼろ泣いて、俺の胸に寄りかかる。
他の男にとられてばかりなのは、俺に魅力がないからだろうか。
我が儘に別れたくないと言うほどの気持ちもないからだろうか。
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