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千香は泣き続けてくれて、うれしいとも思うけど罪悪感もある。
でもそれでも…。
今少し浮かれてるこの気持ち、これって…。
考えないようにしてみても、千香と二人でラブホにいる今にドキドキしている俺がいる。
「……もう一回。ラブホ入る前からやり直したい…。千香、ごめん。痛い?」
俺は罪悪感のほうで謝る。
あれは強姦だった。
嫌われて当然。
やり直すならベッドでいちゃいちゃからしたいかも。
それならもう少し嫌われることなく済んだだろう。
「もう二度としない。えっちなんて絶対しない」
ラブホに入る前からやり直す=もう一回したい?
「ちっ、ちがっ、そういう意味じゃなくてっ」
俺は焦ってそうじゃないと言っておく。
「……千香」
俺は千香の両頬を包むように手を当てて、千香は俺を見てくれる。
…その不満そうな顔もかわいい。
相変わらずかわいい。
もう一回つきあって…、なんて思うのは甘いか。
「とりあえず俺から離れてもいいから下半身の処理を…」
「…隆太がした」
「……したかったんだよっ。他の男とはなんの感情もなくヤるくせに、俺にはヤらせないって…」
「してないっ!」
「……ごめんなさい」
強く言われて、俺は本気で反省。
なんであんなにかわいいんだと千香に不満。
千香がシャワーを浴びている間に俺は千香の服についた血液を湯で洗う。
憎く思ったものがやって満足して消えたら、初めて見た泣き顔も何もかもかわいくて、つきあっていた1ヶ月の気持ちに戻ってしまった。
本気で惚れたのは千香だけ。
今も俺は千香に惚れてしまっているらしい。
甘い気持ちになる。
千香の初めて。
俺の初めて。
ものすごーくべたべたいちゃいちゃしてかわいがりたい。
脱衣場が洗面所にもなっている。
風呂場の扉が開いたと思ったら、裸の千香が出てきて、思いきり鏡越しに目があった。
千香は慌てたように俺がおいておいたバスタオルを手にして背中を向けて、体にタオルを巻く。
女の裸見たの初めてだ。
俺は脳裏に焼きついてしまった千香の裸に思わず赤くなる。
なんか今日、俺にとってはいいことばっかり?
千香と二人きり。
ドキドキしまくり。
千香を傷つけたかもしれないけど。
にやつきそう。
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