Breezy

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「どうせ手入れできてない処女の体だよっ」 千香はなんか怒った。 そんな処女の体だから俺は喜ぶんだよっ。 …なんか違う。 千香が処女だったから俺は喜んでしまったのほうが正しい。 でも言えない。 もっとキレられる。 「じゃなくてっ。…だから、……千香、おまえ、自分にもっと自信持てば?俺を振った女なんておまえくらいだ」 俺がフラれまくりなことは言わない。 俺のため。 千香が卑下なければそれでいい。 「隆太はモテモテだよね」 そうでもないと思う。 「コウのほうがモテる」 「コウって知らない」 「紫苑晃佑」 同じクラスだったし、話したことはなくても名前くらいは覚えてるだろと言ってやる。 千香はなんとなく覚えてるといった感じで。 俺は手にしていた服を千香に投げて渡して、千香は俺のシャツを手にして袖を通してくれる。 ぶかぶかだ。 こんなに小さかったかなと千香を見てしまう。 千香は俺のジーンズもはいて、その腰回りの大きさは違いすぎる。 そんなに細かったかなぁと千香を見てしまう。 ジーンズはさすがに大きすぎたみたいで、千香はジーンズだけ俺に返す。 俺はそれをはいてみる。 腹も出てないし、俺が太ってるということはないと思うけど、俺にはぴったり。 身長伸びて178だし、俺の体格がでかくなったのかもしれない。 「まだ痛い?出血ある?」 「……痛くなかったらもう一回って言うの?」 からかってくれる。 恥ずかしくて赤くなりそうだ。 「……おまえ、そういうのやめよう?」 「そういうのってなに?」 「…どこまで鈍くて、どこまでわかってるのか、おまえ、本気でわからないっ」 俺は怒ってやる。 わかっていてからかった言葉なのか、わかっていないから言うのか。 もう一回…したいのは本音。 千香は俺を無視して、無防備に俺に背中を向けて、部屋の中に音楽をかける。 服は着せたのに、千香が下手にからかったりしてくれるから、また俺の中の欲望湧いてくる。 俺はベッドの上の千香の体を後ろから抱きしめる。 その首筋に顔を擦りつけて耳元に唇を寄せる。 「……何回でもできそう。すごく…、ずっと…」 したかった。おまえと。 おまえを俺のものにして、俺もおまえのもので。 それが叶ったみたいで今がうれしい。
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