584人が本棚に入れています
本棚に追加
「どうせ手入れできてない処女の体だよっ」
千香はなんか怒った。
そんな処女の体だから俺は喜ぶんだよっ。
…なんか違う。
千香が処女だったから俺は喜んでしまったのほうが正しい。
でも言えない。
もっとキレられる。
「じゃなくてっ。…だから、……千香、おまえ、自分にもっと自信持てば?俺を振った女なんておまえくらいだ」
俺がフラれまくりなことは言わない。
俺のため。
千香が卑下なければそれでいい。
「隆太はモテモテだよね」
そうでもないと思う。
「コウのほうがモテる」
「コウって知らない」
「紫苑晃佑」
同じクラスだったし、話したことはなくても名前くらいは覚えてるだろと言ってやる。
千香はなんとなく覚えてるといった感じで。
俺は手にしていた服を千香に投げて渡して、千香は俺のシャツを手にして袖を通してくれる。
ぶかぶかだ。
こんなに小さかったかなと千香を見てしまう。
千香は俺のジーンズもはいて、その腰回りの大きさは違いすぎる。
そんなに細かったかなぁと千香を見てしまう。
ジーンズはさすがに大きすぎたみたいで、千香はジーンズだけ俺に返す。
俺はそれをはいてみる。
腹も出てないし、俺が太ってるということはないと思うけど、俺にはぴったり。
身長伸びて178だし、俺の体格がでかくなったのかもしれない。
「まだ痛い?出血ある?」
「……痛くなかったらもう一回って言うの?」
からかってくれる。
恥ずかしくて赤くなりそうだ。
「……おまえ、そういうのやめよう?」
「そういうのってなに?」
「…どこまで鈍くて、どこまでわかってるのか、おまえ、本気でわからないっ」
俺は怒ってやる。
わかっていてからかった言葉なのか、わかっていないから言うのか。
もう一回…したいのは本音。
千香は俺を無視して、無防備に俺に背中を向けて、部屋の中に音楽をかける。
服は着せたのに、千香が下手にからかったりしてくれるから、また俺の中の欲望湧いてくる。
俺はベッドの上の千香の体を後ろから抱きしめる。
その首筋に顔を擦りつけて耳元に唇を寄せる。
「……何回でもできそう。すごく…、ずっと…」
したかった。おまえと。
おまえを俺のものにして、俺もおまえのもので。
それが叶ったみたいで今がうれしい。
最初のコメントを投稿しよう!