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「……抱きたくなる」
「えっち嫌いになったかも」
なんて言うくせに、俺にキスをしまくるのは千香で、俺はそのキスに感じて吐息を溢す。
千香の手が俺の素肌の腕を胸を背中を撫でる。
俺は千香の髪をかきあげて、千香の唇にキス。
千香がくれたキスへのお返しのように、初めて千香とキスしたあのキスのように、甘く長くキス。
千香の体を俺の体の上に乗せて、舌を絡めてひたすらキス。
俺の唇からも千香の唇からも小さな吐息がこぼれる。
千香の唇は一度離れて、目を閉じたまま息をつく俺の顔中にキスをくれて、また唇にキス。
俺は千香の背中を撫でて、千香の手は俺のその手を捕まえて、離れさせるのかと思えば、服の中に滑り込ませて、その素肌にふれさせる。
柔らかい肌。
手触り気持ちいい。
っていうか…。
「……ちょっと…待った」
「なに?」
「…千香の尻の下でひくついてる」
もうこれ以上しないほうがおまえのためだと思う。
大きくなった俺の欲望。
わかりやすすぎて恥ずかしい。
千香は腰を揺らして俺のを擦ってくれて、俺は慌ててその腰を捕まえる。
「だから無理だってっ。理性で堪えさせるのやめて」
「隆太に理性なんてあるの?」
「なかったら縛って犯してる。……もう一回、今度は…本当に優しくする…」
こんなにキスいっぱいしてくれるから、いいよとでも言ってくれそうで、恥ずかしいけど正面から誘ってみた。
「痛いからいや。キス、もっとしたい」
千香はそんな答えをくれて、俺はがっくりと落ちる。
キスしたいだけかよっ。
「……俺の全身にしてくれ」
千香にころころ転がされる自分が嫌になりつつ言ってやると、千香は本当に俺の全身にキスをくれた。
気持ちいいとこ責められて、俺が犯されてる。
「大好き」
千香は小さな声でそんな言葉をくれて、俺はもっともっと感じて、千香の手を強く握る。
返事したら声出そう。
明日にはさよなら?
こんなことしてくれるのに?
好きって言ってくれたのに?
…今日が夢なだけかも。
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