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そのうちコウはコウの知り合いに声をかけられて、同席が増えて騒がしくなる。
コウを狙ってるらしい女にべったりくっつかれて、彼女のいる自覚はそれでもあるのか、手を握って離れさせて、手だけのスキンシップにかえさせる。
ミクが戻ってきたら何を思うのかと思っていたら、しょぼんとして出ていったミクは途中で声でもかけてきたらしい男と楽しげに笑って、誘われながら戻ってきた。
…どっちもどっちなよく似合いのカップルかもしれない。
美男美女でお似合いだ。
互いに声をかけられ、笑って流す。
「コウちゃん、ただいまー」
ミクは座っているコウに抱きついていく。
隣にコウを狙っているらしい女がいても無視。
コウがその女の手を握っていても無視。
「おかえり。飲み物切れた。なんか買いにいく?」
「いく。ワイン飲みたい。コウちゃん、奢ってあげる。何がいい?」
「リンゴビール」
「あ。私もシードルにしようかな」
なんてあっさり二人で席をはずす。
…よく似合ってる。
どうぞそのまま仲良くつきあってくれ。
俺はミクから話を聞くこともやめた。
ミクが何股だろうが奢らせてばかりの女でもなさそうだ。
…別れた女ともう一度コウがつきあっているのは見たことはないが。
美優とまた戻るとされるのも嫌だし。
ジンベースのカクテルを飲んでいた美優は一杯で酔って眠りかけ。
他の男が美優に声をかけるのを見て、俺は美優を立たせて俺の家に連れて帰る。
終電ないし、俺も飲んでいて車を出せないし。
ふにゃふにゃと全身の力が抜けている美優を支えるように歩いて、なんとか俺の家に辿り着く。
もう半分、美優は眠っている。
抱き上げてベッドに運んで横にさせて、靴を脱がせて玄関においておく。
俺は煙草に火をつけて、冷蔵庫を開けて何かないかなと探ってみる。
水かビール。
ビール…と心を惹かれながら水にして、少し酔い覚まし。
無防備に気持ちよさそうに美優は俺のベッドで眠る。
女に飢えてはいる。
でも相手の意識がないときにするのはなぁと思うと、手を出せない。
一服すると軽くシャワー浴びて、美優の隣で眠らせてもらう。
抱き枕にはなってもらう。
柔らかい美優の髪を撫でて胸に頭を抱き寄せていると眠くなって。
寝落ちるように眠る。
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