Back and forth

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千香からの連絡はまったくないし、俺がメールしても返事はない。 ドジっこ彼女、美優には連絡先を俺の携帯から消されて。 暇を持て余して俺は遊びに出る。 車でそこらへんを走り回ってみたり、よさげなショットバーに入ってみたり。 傷心。 誰とも話したくないから一人で遊んでる。 携帯を見ると千香の寝顔の写メがまだ残ってる。 何度も消してしまおうとして、何度も思い止まって、まだ残っている。 いい加減やめてしまいたいのに、それが俺の気持ちらしい。 溜め息をついて今日はどの店に飲みにいってみるかなと歩いていると、偶然ばったりコウの彼女、ミクと会った。 一度コウと一緒にいたミクと会っただけでも顔を覚えていた。 ミクも俺の顔を覚えていて、うれしそうに笑って昔からの友達のように気軽に俺にかまってくる。 俺の腕に腕をひっかけてきて彼女のように。 「リュウちゃん、暇?暇だ?遊ぼう?」 「おまえ、彼氏いるだろ」 「コウちゃん、今日、職場の飲み会があるって遊んでくれないんだもん。カラオケいこ?」 なんて誘われて、引っ張られまくってついていった。 八方美人の愛想のいい、見た目も小柄で妹みたいなかわいい子だと思う。 べったべたしまくりの甘えんぼ。 男なら誰でもいいんだろと思わず言いたくなる。 「こんなふうに俺と遊んでることバレたら、コウ怒るだろ」 俺はミクと二人きりの密室、カラオケルームで選曲しながら言ってやる。 ミクにのせられてここまできたけど、思えばこんなふうにコウの彼女と二人きりになったことはない。 「コウちゃんだって彼女以外と気軽にキスするもん。酔っ払ってるからって、相手がキス魔になるからって、そんなサービスしなくていいと思わないっ?コウちゃんの女たらしっ」 ミクは嫉妬のようなものを俺に見せながら、選曲した曲を入れて、ストレス発散のように歌う。 何か俺はそのストレス発散につきあわされている気がする。 そんな気分でもないのに。 ミクはかなり強引で積極的だ。
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