Back and forth

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興味があったら千香や美優にしたように強姦のごとく襲ってる。 すべての女に興味ありまくりな男じゃないだけだ。 さすがに引き離しきれずに、ミクをくっつけてコウところへいってやると、コウは不機嫌に俺を睨んでくれる。 とってない。 これはとろうともしてない。 「ミク、おまえ、なにに抱きついてんだよっ」 コウが嫉妬した声をあげると、ミクはひょこっと俺の後ろから顔を出してコウを見る。 「コウちゃんが遊んでくれるならやめる」 「明日は仕事だって言ってるだろ。飲み物もほら、酒じゃない」 「オールで遊びたいーっ」 「家に連れて帰るって言ってるだろっ」 「えっちだけなんてやだーっ」 「俺、いちゃいちゃでいい。腰振るのめんどくさい」 「いちゃいちゃで盛り上がったら、えっちもしたいのにめんどくさいってひどいーっ」 なんの痴話喧嘩を聞かされているのか。 俺を間に挟んで話すなと言いたい。 それでもミクの手を俺の腰から離れさせようとすると、今度はちゃんと離れた。 これに抱きついておけと、俺はミクをコウに抱きつかせる。 ミクは不満そうに俺を見上げてくれる。 「なんだよ?」 「リュウちゃんのえっちってどんなの?」 さらっと聞かれた。 すぐに思い当たったのは、美優の評価。 ただ、だけど、それは俺ががっついてる状態。 千香と美優以外の女としたセックスは、決して襲いかかったわけじゃない。 でも襲いたくなるくらい、相手に興味ありまくりなほうが気持ちいい。 俺は気持ちよかったけど。 どちらにもセックスのあとでフラれている。 「ど下手くそ」 俺は俺のセックスをそう評価してやる。 ただの下手くそじゃない。 どを何個もつけてもいいかもしれない。 ……落ち込むから、その話題は禁止だ。 ひきつった愛想笑いを浮かべてやると、ミクも理解したかのように頷いて、おとなしくコウにべったり抱きついてくれる。 ただ、後日、コウがいないときに会ったら、どさくさにまぎれて俺の下半身にふれてきたりして、なぜか更に興味をもたれてしまった。 「逆セクっ」 俺は慌ててミクの手をそこから引き離す。 「だってぇ…。リュウちゃん、下手なんて言うんだもん。遊びまくってそうなのに」 「遊んでませんっ」 今は。 右手が恋人でじゅうぶんだ。
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