Signal

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晃佑の家に戻った。 彼女として。 「ま、待って…」 「ダメ。それなしだって言っただろ?」 私の止めた声も聞かずに、晃佑は私の抵抗する手を握って、私の体を食べるかのように感じさせようとしてくる。 感じてしまって。 「待って待って待ってっ!」 暴れたら、私はうつ伏せにされて、両手首を拘束された。 容赦ない。 思えば私は拘束されてのえっちしかしたことがないかもしれない。 何かがおかしいと思う。 「いや?…誘ったのはおまえだろっ?俺を興奮させた責任とれっ」 って私の背中の上でどこか悔しげに晃佑が喚く。 馬乗りにされている。 しゅんっとなって、手を捕まえられて抵抗できずにおとなしくなったら、晃佑は私の手首を縛って、あいた両手と唇で私の体を食べる。 口を塞がれてしまわないように、懸命に声を我慢してもこぼれて。 晃佑が中に入ってくると我慢なんてできない声がこぼれる。 「また…。知花、隣に聞こえるってっ」 「だって…」 晃佑が感じさせるからだと言いたいのに、口からこぼれるのは甘い声。 晃佑の手が私の口を塞ぐ。 それでもきゃんきゃん喚く犬のように、晃佑がすればするほど声は止まらない。 「…同意のはずなのに、思いきり犯してる気がするのは俺だけじゃないと思う」 私はうんうん頷いて、だからもうやめてって思う。 思うのに晃佑はやめてくれない。 感じたような吐息をあげて、更に私を攻めてくれちゃう。 奥にあたって、悲鳴のように声をあげると、とうとう布を噛まされた。 私は晃佑の玩具のように感じさせられまくって、呻き声。 やめてって噛まされた布の下から言って、目を開けて晃佑を見ると、晃佑は私の顔をじっと見ていて。 その顔は気持ちよさそうで、どこか恥ずかしそうで。 やめてくれることもなく、目隠しされて更に強く感じさせられる。 晃佑が満足するまで何度も犯される。 終わったあとに気を失うかのようにくったりするのはいつものこと。 これが私と晃佑のパターンのような気がする。 「……反省しない。無理。止まらない。止められたくない」 「強姦だと思います」 「………反省しない」 晃佑は私に背中を向けて頭を抱える。 悪いとは思ってくれているらしい。 言わないけど。 言ったら、もう二度と同じようにはしないでと私に言われることを考えてのことだろう。 言うけど。 反省してくれるなら言うけど。 反省してくれない。
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