Some time

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もっのすごくいちゃつきまくりの日があれば、口喧嘩の日もある。 私が手を出すくらいまでになると、晃佑は私を鎮めようとしてくれるけど、そこまでじゃなかったら拗ねて無視しやがる。 だから私も無視をしてしまって。 晃佑はいつもの時間になっても帰ってこない。 泣きたい…。 晃佑がいないと、くーんくーんって寂しくて鳴いている犬のようになってしまう。 そんなところに着信。 晃佑って思って携帯を手にしてみると加藤くんだった。 思いきりしょんぼりして、私はとりあえず着信に出てみる。 『久しぶり、トモちゃん。で、何やってんだ?おい。ミクを止めてやってたのに、晃佑から連絡きたーってうれしそうに報告きたんだけどっ?』 知らない間に何か加藤くんに協力してもらっていたらしい。 しかも晃佑の浮気を暴露されている。 思いきり落ち込む。 どうせなら暴露されたくない。 知りたくない。 「……ちょっとした痴話喧嘩。…浮気暴露やめてくれませんっ?」 半分八つ当たり。 『悔しく思うなら、さっさと仲直りして。仲直りできないなら俺とつきあう?』 軽い。 私はしばらく言葉をなくして、晃佑がミクに連絡をとったことをぼんやり考えて。 溜め息をつく。 「……浮気くらい…好きにさせてあげれば…いいよね?」 『浮気って決定?…ミクが押せば転がらないことはないだろうけど、あいつをあんまり軽く見ないでやって。トモちゃんはあいつを軽い男だって決めつけてないか?……軽く見るのは女のほう。軽い男でいればいいとあいつに思わせるのは女のほう』 加藤くんに言われると、あぁそうだなってまた納得してしまっている私がいる。 「……なんで楽しい時間ばかりじゃいられないのかな…?」 『それは俺が聞きたい。けど、互いの意思があるから恋愛って成り立つものじゃない?押しつけてばかりで言うこときいてばかりなんて、ただの虚しい一人遊びだろ?』 意思…。 晃佑が言った、私の意思を見たいという言葉が私の中に思い出された。 「…意思を見せると喧嘩になっちゃう」 『喧嘩もしないでわかりあえるって、なかなかない気がするけど』 また、そうだなぁと思ってる。 「私、なぜか加藤くんとはわかりあえてしまう気がするんだけど」 『だから相性いいって。俺とトモちゃん。同じ目線で物を見られる。嫌なことも嫌じゃないことも同じかもしれない。つきあってもそんな大きな喧嘩はしそうにない』
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