Sweet lies

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あと1年、2年、一緒にいれば私だけの人になるのだろうか? ミクを忘れるその時を待っていればいいのだろうか? 行動は縛れても心は縛れない。 縛るつもりはなかった。 気がつくと縛っていた。 交友関係縛って、遊びにもいかせない。 求めたままに私だけを見てくれる。 こんなこと…したくはなかったのに。 私が犯された責任をとらせたいなんて思ったことはなかった。 ねぇ?あの時、私と戻ることを選んだのは責任? 私といたいって言ってくれた言葉は嘘? 疑っているのは私で、信じていないのは私。 あんなふうに…、酔っているのに崩れ落ちるように泣くから…。 なんて晃佑のせいにしてみたって、私が縛っているものは変わらない。 私が負わせてしまっている責任は変わらない。 さよならが一番いい選択だと思うのだけど。 まちがってる? まったくもって晃佑に冷めてもいないのだけど、以前に私に声をかけてくれた男とご飯を食べにいった。 話すことはないし、問いかける言葉に適当に相槌を入れるだけのつまらない食事の時間。 盛り上がるはずもない。 「このあとどうする?カラオケにでもいく?」 つまらない時間を提供してあげているのに、まだ私といたいらしい。 狙われている。体を。 「遠慮します」 「デートに誘ったのはそっちだよね?」 頬をひきつらせてる。 おもしろいくらいに単純だ。 晃佑もこれくらい簡単に嫌ってくれればいいのに。 「ごめんなさい。つまらないので帰ります」 「つまらないのはこっちだっ」 一言余計だったらしい。 男は伝票置いて帰りやがった。 私は渋々と男の食事代も払って店を出る。 最寄り駅につくと、そのまま繁華街をあてもなく歩く。 私の携帯が鳴る。 見てみると晃佑で、私はその電話を無視した。 私を疑って。 妬かせたいわけじゃない。 私はあなたじゃなくても男と遊べて、あなたが責任を持つことはないのだと思わせたい。 少し…あなたに甘えられすぎていて、あなたとのことが疲れたのだと、そんな下手な理由をつけてみる。 あなたが私に甘えてみせるのは、あなたには私しかいないのだと、私に思わせるため。 そんなことはないのだと自分に言わないと、あなたから離れられなくなる。 私の手を離して。 もう…大丈夫だから。 あなたの自由の中で私はあなたに選ばれたかった。
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