Sweet lies

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私が、あなたが、互いに本当に依存をしてしまう前に、この恋愛ごっこを終わらせないと。 好きだけじゃダメなんだ。 私の体を抱きしめて晃佑は眠る。 夏に近づく夜は暑くて、抱きしめられていると暑い。 晃佑の体温は高い。 「……暑い…」 離れてという意味で言ったのに、晃佑は無言でクーラーの電源を入れて、私の体から離れない。 私は晃佑の腕に唇をあてて、晃佑のにおいを感じながら、ぼんやりと暗い部屋の中を見ていた。 太い腕が背後から私の体を抱きしめている。 ここにいてもいいと言ってくれているのはわかっている。 ここにいて欲しいと本当に求めてくれているのかわからない。 「……起きてる?」 「冷房ききすぎて寒い」 晃佑は布団を私と自分にかけて、更にぎゅっと抱きついてきた。 あったかい。 「どこにいっていたか聞かないの?」 「おまえがここに帰ってくるならそれでいい」 「私がいないと寂しいの?一人で暮らしていたのに」 「……子供つくろうか?離れられないように」 「酔ってる?」 「……ごめん」 晃佑は私の肩に顔を埋める。 私は晃佑の腕を少し離れさせて、晃佑を振り返る。 泣かせたい。 私に泣いて笑って。 その頬を摘まむと、晃佑は目を開けて、少しふて腐れた感じで私を見る。 大好き。 大きな声で叫びたいくらい、私は晃佑が大好きだ。 晃佑の腕にふれて、手を滑らせてその手にたどり着いてふれると、私の手を指を絡めて握ってくれる。 「する?」 「……キスしよ?キスだけ」 片手は握ったまま。 晃佑の片手は私の頭にふれて、髪をかきあげるようにしながら唇に唇をあてる。 私は目を閉じてその唇を受け止めて。 晃佑の手は私の顎をあげさせるように、私の髪を少し引っ張る。 手が離れたと思ったら、私の体は転がされて、晃佑は私の体の上に乗って。 私の額を押さえるようにして強引なキス。 このキス、したことある。 「……やっぱり酔ってる?」 「飲んでないっ。酒のニオイする?」 「しない。いつもより強引。優しくない。酔っ払い晃佑みたい」 「……記憶ない間の俺の行動も言葉も忘れてくれ。そこに責任持てない。知らないとしか言い様がない」 「別に酔っ払い晃佑にひどいことされてないよ?」 「首絞めたって…」 そんなこと気にしてくれているらしい。 「嫉妬してくれたこと忘れたくない」 「嫉妬なんて酔ってなくてもしてるだろ」
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