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「あの部屋は、ヒカリのもんだもん! ヒカリの、ヒカリだけのもんなんだから!!」
「…」
あたし以外、みんなが息をのんで黙り込んだのがわかった。
けど、もう飛び出した言葉を撤回することはできない。
あたしは肩で息をした状態のまま、当たり前みたいにそこにいる男を睨みつけた。
ちょっとクセのある黒い髪。
大げさなくらい大きい、黒いフチのメガネ。
その奥にある、子犬みたいな瞳も気に入らない。
だって、違う。
全然、違う。
ヒカリはさらさらした茶色の髪がとっても綺麗で。
日に透けると淡いブラウンに見える瞳がすごく魅力的で、あたしがじっと見ると『恥ずかしいよ』って笑うんだ。
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