青山荘のひとびと

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  追いかけっこを終えて、ダイニングに戻ってきたミハル。 あたしのじとっとした視線を受けて、面倒くさそうに言う。 「だいたいさー、牛乳なんて共有食材じゃないの? 今週の買い出し当番誰よー?」 「アタシよ」 「キクちゃんかー…、そのたっくましーい腕なら、牛乳くらい何本でも買って来れるでしょーに」 嫌味ったらしく言ったミハルに、ぎろり、キクちゃんが睨みをきかせる。 「なぁんですってぇ? ミハル、アタシの目を見てもう一度言ってみなさいよ?」 「…ごめんなさい」 即座に謝るミハルは賢い。 キクちゃんを怒らせて、良いことなんてひとつもないから。 キクちゃんは、オカマ。 あれ? ゲイって言うんだっけ? オカマとゲイってどう違うんだっけ? 前にキクちゃんに聞いたときは、なんて言ってたっけな。 キクちゃんは、身長は180超えで筋肉質なのに、顔はけっこう綺麗なオカマ。 仕事はバーテン。お酒も強い。 あ、基本的には男の格好してる。 女装は趣味ではないみたい。 ただ、イベントやパーティーなんかでは張り切って女装してる。 女以上に着飾ってるけど、その辺の女よりキレイに見えるんだから、怖い。でかいけど。 .
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