始まりの選択……

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「まぁ今回は特に収穫は無さそうだし、俺はそろそろ帰るな」 隼人は鞄を横から取りだし、帰る準備をする。 「そうですか……確かに明日も学校がありますしね」 「じゃあ、俺は帰るぞ」 鞄を肩にかけて、部屋を出ようとする。 「隼人君、ちょっと待ってください」 「どうした?」 大樹に呼び止められて、ドアに手をかけるのを止めた。 「これを渡し忘れてました……」 大樹が手に持っていたのは何か入っているだろうビニール袋だった。 「これは?」 袋の中身を確認するとコンビニ弁当が入っていた。 「今日は遅くなると思ったので準備してたのですが……思ったより早く終わってしまったので忘れるところでした」 「そうか、悪いな。丁度夕飯どうするか困っていたところなんだ」 隼人は、大樹に感謝しながらビニール袋を受け取る。 「まだ時間は早いですが、最近は暗くなるのが早いので気をつけてくださいねー」 「ああ、弁当ありがとなー」 大樹と別れて隼人は家に向かって歩き出した。
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