ある日の出来事

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青い空に白い雲。 雲の隙間から眩しい太陽の光が地面を照らし穏やかな好天の中、心地よい風が吹いていた。 「はあ……はあ……急げ!!」 そんな心地よい日にどこからか軽快な足音と男性の荒い息づかいが聞こえてくる。 そこには焦った様子で後ろの方に叫んで走っている黒髪の少年の姿が見えた。 「はあ、はあ……、わ……分かってますよ! これでも全力なんですよ!!」 すると今度は先ほどとは違う男性らしき声が聞こえてくる。 少年の後ろの方を見てみるとそこには少年の後を追いかけるように走っている男性の姿があった。 その男性はどこか知的な雰囲気を漂わせており、少し大人びた印象を感じさせる。 そんなどこにでも居そうな彼らだったが、どういうわけか彼らは今全力で走っているようだった。 「おい! あそこ曲がるぞ!!」 「わ……分かりました!!」 少年がそう叫ぶと二人は途中で角を曲がる。 彼らの回りにはレンガで建てられた家やアーチ形の屋根の建物など現代私達が住んでいる世界とは少し違う風景が広がっていた。 「……ふう、もうこの辺で大丈夫だろう」 二人が角を曲がった後、二人は壁に隠れて一旦止まると最初の荒い息づかいをしていた少年がもう一人の男性にそう言った。 「……はあ、はあ……、 ……ここまで来れば安心ですね……」 そして男性も額の汗を拭いながら息を整え、そう呟く。 「いたぞ!! 引っ捕らえろ!!」 だがその直後、図太い男性らしき声が聞こえてくる。 声のした方を見ると、何やら剣を手に持つ鎧を着た兵士達が男性達の方へ剣を振り回して物凄い速度で向かって来ていた。 どうやら彼らは追われて逃げているみたいだった。 「ちっ! ……見つかったか……!」 「……これは非常に不味いことになりましたね……」 少年達はそう呟くと再び走り出す。
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