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「絶対に逃すなぁ!!」
「「「「ウオー!!!!」」」」
兵士の中でも頭に立派な装飾をしている兵士が走りながらそう叫び、それに続いて周りの兵士も叫ぶ。それによって兵士達の追いかけるスピードが上がり、兵士達と少年達との距離はみるみる縮まっていった。
「……このままではいずれ捕まりますね……仕方ありません……!!」
この兵士達の状況を見た男性は呟く。
「……おい、お前何する気だ?」
「食らいなさい! メガフラッシュ!!」
男性がそう叫ぶと後ろにいる兵士達に手を向けた。すると男性の手から太陽のように白い光が放たれ、それによって辺りが眩い輝きに包まれた。
「ウアァァ! め……目がぁ……!!」
「な……なんだぁ……!?」
「何も見えない……!!」
すると追いかけていた兵士達は突然の輝きに対応出来ずに手で目を抑えて体勢を崩した。
「さ、今の内に逃げましょう!!」
男性はそう言うと走る用意をする。
「ば……馬鹿野郎……
俺も見えなくなってしまったぞ……」
しかし男性が少年の方を見ると、少年も眩しい光に耐えきれずに目を抑えていた。そして少年は男性がしたことに対して文句を言っている。
「……はい? ……あなたは馬鹿でアホですか……」
「……お前が何するか分からないのに防ぐ方が無理だろ!!」
追いかけられている状況の中、彼らは言い争いを始めてしまったようだった。そうしている内にも兵士達はどんどん近付いてくる。
「……おい、どうやらこんなことをしてる場合じゃ無さそうだぞ……」
少年は言い争いを止め、周りを見渡しながらそう言った。
彼らの周りには 先ほど体勢を崩していた兵士達がすでに彼ら二人を円を描くように囲んで剣を構えていたのだった。
「……その様ですね……」
続いてもう一人の男性もそれを見かねてそう言う。
そう言っている間にも兵士達はさらにじりじりと彼らに近づく。
「……万事休すか……」
少年は諦め口調でそう呟く。
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