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「全く……あなた達は……」
絶体絶命の状況に彼らが諦めていると、突然女性の声が響いた。
それと同時に辺りにいた兵士達がいきなり悲鳴を上げて倒れる。
「な……何が起きたんだ!?」
「さ……さあ?」
彼らは突然の出来事に驚く。
彼らは全く状況が理解出来ずにただ突っ立ているだけだったが、そうしている間にも辺りの兵士達は突然出てきた女性によって次々と倒れていく。
「せいやっ!!」
「……うっ!!……」
最後の兵士がそう言い、地面にどさりと倒れる。
「……さ、周りも片付いたし行きましょ」
女性は兵士が全員倒れたのを確認すると、さらりと彼ら二人にそう言った。
「あ……ありが」
「いたぞ!! 全員捕まえろ!!」
少年がお礼を言おうとすると同時に、遠くから声が聞こえた。
彼らが声のした方を見ると、先ほどとは比べ物にならない数の兵士がそこに待機していた。
「……これどういうことだ?」
「これはどういう……」
彼ら二人は女性に尋ねた。
すると女性はゆっくりと口を開く。
「…………あ……
私もさっきから追われてたんだった……
に……逃げるわよ!!」
女性はそう言いながら走り出す。
「……俺もう帰りたい……」
「それは僕も同じですよ……」
彼ら二人は女性の発言を聞いてそう呟いた後、大勢の兵士を背に三人は走り出した。
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