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「お、隼人もう帰るのか?」
生徒の一人が隼人に尋ねた。
野球のユニフォームを着て右手にバッド、左手にグローブとこの生徒からはばりばりの野球少年という印象を受ける。
「あー、俺部活入ってないからさ」
「お前さー、なんか部活入れよ。なんだったら俺達のとこに来いよ!お前だったら即戦力になると思うぜ?」
「まぁ……気が向いたらな」
「そうか……あ、やべ! そろそろ行かないと先輩に殺される! すまん、またな!」
「おう、またな。頑張れよー」
彼の通っている高校は名門高校だけに部活動が盛んである。この学校は文武両道を校訓に勉学と部活動の両立をモットーとしているので、生徒の殆どは運動部に所属しているのだ。
だがそれなら何故彼は部活の勧誘を受けたのか?
その答えは、彼はそんな学校の中でも数少ない帰宅部の一員だからである。
だからといって彼は運動が苦手という訳ではない。むしろ彼はスポーツ万能で、体力テストも堂々の一番という驚異の身体能力の持ち主なので、今回のように様々な部活動から勧誘を受けているのである。
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