11人が本棚に入れています
本棚に追加
「あーわかってるよ…毎度毎度ごくろうさま」
どうやらこのやり取りはいつものことらしい。彼が急いで向かった先は親友の家であったようだ。
「そんなことはどうでもいいんです、何か興味深いことは見つかりましたか?」
「いや、特に何もなかった」
「そうですか…最近は物騒なことが多いので、何か見つかりそうなものなのに…」
「いや、そう簡単に見つかるものでもないだろ、それを見つけるのが俺たちの目的だし」
「まあ、それもそうですよね」
一見、こんなにも性格が異なる二人が親友でいるのは少し変な気もするが、それにはある理由がある。
それは彼らが大のオカルト好きということ。
この共通する趣味によって彼らは繋がりを持ったのである。
隼人は小さい頃から怪奇現象と聞くとやっていたことを放ったらかしにして、すぐにそれが起きた現地に駆けつけるほどの興味を持っていた。
そんなある日にいつものように現場を探索していた隼人だったが、自分と同じように現地でうろうろしていた少年を見つけ、そこでたまたま知り合ったのが大樹であった。
彼もまた怪奇現象やら心霊現象やらに興味を持っており、家が近所ということもあり、その時からずっと一緒に怪奇現象の探索を行っているのだ。
隼人が部活の誘いを断るのもこれが理由である。
最初のコメントを投稿しよう!