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その時、ガールズバーのドアが開いた。
「おはようございまーす」
明るい声とともに、女の子が一人入ってきた。
「あっ、ハルちゃん。今日からよろしくね」
ママがハルちゃんと呼んだ女の子はカウンターの中に入った。谷川に笑顔で会釈する。
「どうも」
谷川は少し照れながらその笑顔に答えた。
「谷川さん、この子がハルちゃん。さっき話した私の友達。ハルちゃん、こちらは谷川さん。よく来てくれてるの」
ママはバスガイドのように身振り手振りをまじえながら言った。
「谷川さん、よろしくお願いします」
ハルはペコリと頭を下げた。
「ハルちゃんていうのか、どこから来たの?なんていうか、言葉のイントネーションがさ」
谷川の質問にハルが答える。
「言葉が違うの分かります?わたし、沖縄からこっちに来たんです」
「沖縄かあ、俺は言ったことがないな」
谷川は二杯目のノンアルコールカクテルを飲みながら言った。
「沖縄、いい所なんで行ってみてください」
ハルの笑顔がまぶしくて、谷川は目をふせた。
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