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「馬鹿野郎! そうじゃねえよお前よぉ、落ち着けおいおい!」
「うるせえ! とりあえず一発殴らせろ!」
とある草原。
二人の青年が、追いかけあって喧嘩をしていた。
追いかけている青年は、淡い黄の瞳に焦げ茶色のショートヘアを揺らして怒っている。
追いかけられている青年は、緋色の瞳と真っ白な長い髪が特徴的だ。
「バトルしよう! な? な? 俺が勝ったら、もう殴るなよ!」
「はん、俺が勝ったら大人しく殴られろよ!」
白髪の青年が、殴られないための策を弄する。一時凌ぎに過ぎないが、バトルとやらに勝つ自信があるらしい。
二人は同型の黒い掌大の箱を腰から取り出す。
デッキケースや、デッキホルダーと呼ばれるものだ。
「ゲートオープン!」
白髪の青年が叫んだ。
続けるように、焦げ茶の青年も叫ぶ。
「界放!」
両者は虹色の光に包まれる。
光が収まったころには、すでに二人の姿はなかった。
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