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「てめえとバトルすんのは久しぶりだな、葵」
「俺は二度としたくなかったけどな」
白髪の、葵と呼ばれた青年は軽口で対応する。口調からは余裕があるように聞こえるが、冷や汗をかいていることから、嫌がっていると推察する焦げ茶の青年。
「スタートステップ」
畳み掛けるため、焦げ茶の青年は順序の一番最初の掛け声を口にする。彼のバトルテーブルの右上に置かれているデッキの回りが一瞬輝いた。
「ドローステップ」
言いながら、デッキから1枚引く。
「メインステップ。魔法剣士ドラゴナーガ召喚! 召喚時効果により1枚ドロー。……バーストをセットして、ターンエンドだ」
「出たよ、お得意のパターン。灰の戦法はいつも決まってる。おんなじだ」
まだ軽口を叩く葵。
灰と呼ばれた青年は暇そうに欠伸をしている。
「んー……心臓破りの巨大坂を配置。ストロングドローを使用。3枚ドローして、レチクル・アームズと最後の優勝旗を破棄。バーストをセットしてターンエンドかな」
「はん、てめえは戦法がコロコロ変わりすぎなんだよ。6個以上デッキ作ってんじゃねえか」
「やかましい」
面倒そうにあしらう葵。
灰の額に青筋が浮かぶ。
第2ターン終了時
灰 手札4枚 魔法剣士ドラゴナーガ
バースト
リザーブ0 トラッシュ3
葵 手札3枚 心臓破りの巨大坂Lv1
バースト
リザーブ0 トラッシュ5
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