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「相手のスタートステップ、デッキを1枚破棄」
「ワーウルフか……」
トラッシュに落ちるワーウルフ・コマンド。灰はニヤリと口角を吊り上げた。
「プラズバットをLv2で召喚! ワーウルフ・コマンドのLvを2に上げて、ワーウルフでアタックだ!」
オリンスピア競技場のLv2効果で、リザーブの1コアがトラッシュに送られる。
「ライフで受ける」
葵の表情は余裕に満ちている。
意外なことに、この青年は心情が悟られにくい。それは単にポーカーフェイスだとかではなく、いつもニヤニヤしていて態度が軽いからなのだが、それによってゲームで得られるアドバンテージに、葵は気づいていない。
「プラズバットでアタック! 来いよヤマト……!」
「ライフだ」
葵のバトルフォームに埋め込まれている大きなコアが穿たれる。
「自分のライフ減少により、バースト発動。……残念だったな」
ニヤニヤと、だが嫌みの感じられない声でバーストの発動を宣言する。そして同時に、灰の読みが外れたことを指摘した。
バトルフィールドに人型の影が現れた。巨大な剣を持ち、白いボディを輝かせるそれは、強者たちを纏め上げるほどのカリスマ性と威圧感を醸し出している。
「銀(しろがね)の剣で討ち滅ぼせ。……氷の覇王ミブロック・バラガン、最後の優勝旗のLvを下げて、Lv2で綺麗に召喚だ」
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