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その日の朝。
墨村良守はいつもの如く、豪快に寝ていた。
乱れた布団に混ざり込み、ごろんと寝返りをうった。
ごりっ
「いっっ!!??」
瞬間、肩に走る激痛。
思わず飛び起きる。
小さくて固い何かが肩にめり込んだ。
「…なんだ?一体……」
ペロンと布団を捲る。
「………あめ?」
布団の下にあったのは、小さく包まれた飴だった。
「…あーー、そういやこんなの貰ったなあ?たしか、花島…あ……あ、…何だっけ?」
飴を手に取る。
この飴は、以前烏森を訪れて良守達を試した花島亜十羅に貰った物だった。
「んーと、たしか何か言われた気が……あ、」
そう、亜十羅からこの飴を貰う時に何かを言われたのだ。
「…そうそう。"限の前で食べてみな?"とかなんとか言ってたような……?」
渡された時に、にやっと笑っていた事を覚えている。
良守は枕元に置いてある時計をみる。
「……………………ふーん」
飴をポッケに仕舞い、布団を出る。
結界をといて廊下に出て、少し立ち止まる。
それから、キッチンにいるであろう父親に向かって階段下に叫びかける。
「おーい、とうさん!あのさ………………………………
」
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