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今日もいつもと同じように物事が進んでいる。
僕はいつも通り遅刻ギリギリで学校に到着し、同級生の噂話のBGMに倦怠感の残る体に鞭打ち、宿題を終わらせている。
「よっ!慶一、聞いたか転校生がくるんだってさ。」
「利家か...」「利次だ。」
いつも通りの受け答え。そうだ、あれはただの夢だったんだ。
「へ~、で、そいつ女?男?」
「ふっ、残念だったな、転校生は男だ。」
なにも言ってないのに利次は僕を慰める仕草を見せる。
「別に僕はどうでもいいけどさ...」
キーンコーンカーンコーン
皆が一斉に自分の席に戻って行く。
少し待つと先生が転校生を連れて、教室に入って来た。
「嗚呼、号令は構わない。それよりこの子が今日からこのクラスに転校してくる逆神 正義君だ。」
と先生が一息で少し背の小さめな少年の事を紹介する。
『馬上高校から転校してきましたサカガミマサヨシです。』
少年は自分の名前を強調的に言いその後冷めた、いや醒めた目付きでこう言った。
『このクラスで仲良くできそうなのは一人しか居ませんね。』
何の音かは分からなかった、しかし其の音が僕の今までの日常の壊れる音だと言うことはすぐに分かった。
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