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「ふぅ…」 一年五組の教室の前で私は息を吐く 「鈴木」 先生が私を呼ぶ 私はドアを開けた クラスの人達の視線が一気に私へ向く 私は顔を上げ、先生の元へ歩いた 緊張する 「初めまして、鈴木 美羽です。」 私は作り笑顔を見せる クラス中が騒めいた 「美羽ちゃん、久しぶりぃっ」 誰かが言う 私はその人を見た 沙希だ 石立小学校の。 「鈴木、こっちに戻って来てたのか」 石立小学校の拓が言った 「美羽、久しぶり」 石立小学校の蘭 石立小学校の人達が私に声をかける 私は元々石立小学校の生徒だったのだ 5年生までは石立小学校にいて、6年生になる前に山原小学校に転校したのだ で、沙希達と会うのは1年ぶり 沙希と蘭はあまり変わっていないようだ 拓は声変わりをしていた 「久しぶり」 私はまた笑顔を作った めんどくさい 私はこの人達が嫌いだった 沙希は自分のことしか考えてない 拓はわがまま 蘭は思ったことをそのまま言う 他の人達もそんな人ばかりだった 私は皆が嫌い ほとんどが自己中で、わがままで頭の悪い気の強い人達 私はとにかく気の強い人は嫌いなのだ 無駄にプライドが高く、きちんと謝らない それに、授業は真面目に受けず、人と喋ってばかり イライラしかしなかった 「皆、静かに!!」 先生が声を張り上げる クラス中がしーんとした 「転校生の鈴木だ。仲良くしなさい」 仲良く? 別に仲良くしなくていいわ めんどくさい人達ばかりだもの 「はいっ!!」 クラスの人達が声を揃える 馬鹿みたい 「じゃあ、鈴木の席は…」 先生は教室を見渡す 「佐々木の横でいいな?」 佐々木? 誰よ 「はい。佐々木さんは…」 私は教室を見た 「俺だ」 1人が手を上げる 佐々木さんは男子だった 私は佐々木君の隣へ向かった 「よろしくね?」 私はまた、笑顔を作る 「佐々木 海斗だ。よろしく」 佐々木君は私をちらっと見て、黒板に視線を向けた 「では、1時間目は数学だ。頑張れ」 先生は教室を出ていった 先生が出ていってから新しい先生が入ってきた 「皆さん、おはようございます」 先生はニコリと笑っていた 先生は髪が長く、綺麗で肌が白い 女の人のような感じだ でも声は男の人 「青木 和也先生だ。数学担当で、このクラスの副担任。」 佐々木君が説明をしてくれた 和也先生か… 本当に綺麗な先生だな…
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