プロローグ1 夜、英雄

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幾つかカーテンなどで区切らた一般乗客用の座席の機内最後部に位置するエリア。 そのエリアを任された犯行グループの一人はこの状況で異様な光景を見ていた。 (おいおい、この状況で居眠りかよ) 他の乗客はもれなく、銃を持つ自分に恐怖しているのにもかかわらず、中央の座席列の端に座る男だけが眠っていた。 それは絶対的優位に立っているはずの犯行グループの男のプライドを傷つけた。 しかし、銃弾が機体の重要な部分にあたる可能性があるため、安易に手に持っている銃を撃つわけにはいかない。 犯行グループの男は、眠っている男の隣に座っていた若い女性に銃を向けた。 女性は「ひっ」と小さく悲鳴を上げた。 「そいつを起こせ!!」 怒鳴るように女性に指示した。
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