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マックと呼ばれた色白の男は、モップをもったまま憮然とした表情でジャッキーの後ろに立っていた。 意外と几帳面で生真面目なこの男は、皆の嫌がるトイレ掃除を進んで行い、戻ってきたところだった。 「この店の価格設定はな、色んな人に来てもらいたいから安くしてんねん。店の回転よぉしたらええ話ちゃうんかい!」 精緻な顔に似合わず、明け透けな話し方をするマックに対し、見た目通りガサツな喋り方で反論するジャッキーは、椅子に座ったまま眉間にしわを寄せた顔だけをマックに向けた。
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