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口にビーフジャーキーをくわえた半裸の男が現れた。エースだ。
「ジャッキー、これで黒字やで」
ローライズにも程があるだろうと言いたくなるほど下げられたボトムスのポケットから、くしゃくしゃになった札を数十枚取り出し、自慢気に帳簿の上に叩きつけるエース。
「うわ!お前この金どないしたん?」
ジャッキーもマックも目を丸くしてエースを見つめる。
「んふふ」
エースは年上二人の反応を見て満足なのか、大きな口を存分に活かして、いたずらっぽく笑う。
「殴り屋や」
静かに店内に戻ってきたアーセナルは、口から白い煙を吐き出し長髪をかき分けながら答えた。
短身でやせ細ったこの男は、みてくれこそ迫力はないが、垂れ下がった前髪から覗いた大きな瞳は、気怠くぎらついている。
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