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「ベルは確かに、少しそそっかしい所があるかもしれません。でも、本当は誰よりも優しくて強い子なんです!」
「それは.........」
「それに、今のベルには頼れるポケモンもついてます。だからおじさん!ベルを信じてやって下さい!」
「う..........」
「....それじゃあ私も行きますね。」
ベルの父親ならきっと理解してくれると信じ、ナミも研究所へ向かうために家の外へ出る。
するとそこには、先に家を飛び出して行った筈のベルが、壁に寄りかかるようにして待っていた。
「.......ナミ、ありがとね。わたし....」
「ううん!さあ、私達も早く行こう!チェレンも待ってるよ!」
「.....うんっ!!」
ベルは涙を浮かべながら笑顔を見せ、先に走り出したナミの背中を追い掛ける。ナミはその様子を少しだけ振り向いて確認すると、彼女もまた微笑みながら、研究所へと向かって行った。
「こんにちはー!アララギ博士ー!」
研究所の扉を開くと、中では助手と思われる人達が大量の資料を抱えながら、慌ただしく動き回っていた。
その一番奥、一際大きなモニターの前で、白衣をまとい茶色い髪をした綺麗な女性が、優雅にコーヒーを飲みながら椅子に腰掛けていた。その隣には、チェレンの姿もある。
「遅くなってごめんなさいっ!!」
「まあ、それほど遅れていないし、ベルにしては早い方だからね。別に怒ってなんかいないよ。」
そう言ってチェレンは笑う。その顔を見て、ベルにも笑顔が戻った。
「はあーい!ようやく揃ったみたいね!」
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