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「どうしよう....ポカブの体力を考えても、あまり長引かせるわけにはいかないし.......」
ミネズミは、いつでも攻撃できるとでもいうように軽快にステップを踏んでいる。
「きっとレベルならポカブの方が上だよね.....なんとか攻撃を当てることができれば!」
「ミネッ!!」
ナミがどう攻撃するか考えている間にも、ミネズミのたいあたりがポカブに迫ってきた。
「.....そうだっ!ポカブ!こっちも負けずにたいあたり!!」
「ポッカァ!!」
ミネズミとポカブのたいあたりが炸裂し、二匹は頭と頭をぶつけ合う状態で踏ん張っている。
「今だよポカブ!!そのままひのこっ!!!」
「....ポカァーーッ!!!」
「ミネーッ!?」
超至近距離でポカブのひのこをまともに受けたミネズミは、その場に倒れ込んだ。しかし、それを受けてもまだ体力が残っているのか、力を振り絞って立ち上がろうとする。
「ちょ!まだ立ち上がるのっ!?ええいっ、こうなったら!!」
ナミが投げたモンスターボールが、立ち上がろうとするミネズミを赤い光で包み込む。
「お願いお願いお願いっ!!もう闘えないってばーっ!!!」
「....ポ、ポカァ。」
しばらくして、激しく揺れるモンスターボールはようやくその動きを止めた。
「....ふう。なんとかなったね、ポカブ。ありがとう!」
「ポカァ!!」
ミネズミのモンスターボールを拾い上げて安堵のため息をついたナミは、体力を消耗したポカブを抱きかかえる。
「大変だったけど、ポカブもすっごく強くなったね!早くチェレン達と合流して、カラクサタウンで回復させてあげなきゃ!」
「ポカポカ!」
急いで集合場所へ向かおうとするナミの背後で、草むらからギラリと光る大きな目が幾つも現れた。
「.....えっと、これはまさか?」
「.....ポ、ポカ........」
「「「ミネーーッ!!!」」」
数匹のミネズミが勢い良く草むらから飛び出してきたのだ。
「もう無理だってばーーーっ!!!」
ポカブを抱いたまま、ナミは猛ダッシュで草むらを抜けて行った。
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