謎の少年

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「あ、うん。えーっと、ね?」 「ナミ!早く早くっ!!」 (........ええいっ!こうなったら!!) ナミのモンスターボールから、二匹のミネズミが勢い良く飛び出してきた。 「「ミネッ!!」」 しかし、それを見た二人の反応は、ナミの考えていたものとは大きく違っていた。 「ナミすごーいっ!!あんなに短い時間で、もう二匹もゲットしたの!?わたしなんて、ヨーテリーを捕まえるのに、アララギ博士から貰ったモンスターボール全部使っちゃったよ!しかもこの子達もすっごくキュートなんだけどっ!!」 「凄いな。同じポケモンでも、体格や毛並みまで僅かに違っているんだね。これは実際に比べてみないと分からないな。」 そう言ってミネズミを二匹とも抱きかかえるベルと、その二匹を真剣な眼差しで観察するチェレン。 「.....あ、ありがとう?」 そんな二人を尻目に、ナミは困惑の表情を浮かべていた。 「今回の勝負はナミの勝ちだったねー!わたしも頑張ったのになあっ!」 「まあ、みんな良い経験になったじゃないか。ポケモンも育てられたんだから。」 「うん。これからも、もっともっと頑張って図鑑を完成させないとね!」 三人がそんな話をしながら歩いている間に、ようやく最初の目的地であるカラクサタウンに到着した。 街の入り口には看板が立てられており、そこには、『ここはカラクサタウン、生い茂る蔓は繁栄の証』と書かれていた。 街全体がキレイな緑に囲まれ、白いコンクリートで造られた様な建物が、丁度良い感覚を開けながら並んでいる。 遠くには住居と同じ白いテーブルと椅子が置かれたテラスで食事を楽しむ人達が見え、何処からかピアノとドラムの演奏が聴こえてくる。
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