謎の少年

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「えへへ、モンスターボールのことすっかり忘れてたよっ!」 買い物を終えて戻ってきたベルは、テーブルに広がる残ったお菓子を全部バッグに詰め込んだ。 「それじゃあ、買い物も済んだし、わたしたちこの街を探検してくるねっ!さあ、行こっ!ツタージャ、ヨーテリー!」 ツタージャはベルの帽子の中へ入り、ヨーテリーは彼女の足下を歩いて着いていく。 「うん!じゃあ、気を付けてね!」 「ありがとうナミ!じゃあ、またねっ!!」 ベル達を見送ったナミは、ポカブが戻ってくるまでに少し時間が空いたため、ポケモンセンター内にあるテレビ電話機能の付いたパソコンを使い、アララギ博士に連絡を取る。 旅に出る前に、ゲットしたポケモンを預けたい時は、アララギ博士に連絡する様に言われたからである。 『.....はあーい!あららら、ナミじゃない!元気だった!?』 「はい!ポカブもまた強くなりましたよ!あの、ミネズミを二匹捕まえたのでそちらに預けたいんですけど、大丈夫ですか?」 『あららら、もう二匹も捕まえたの!?凄いじゃない、ナミ!分かったわ!ポケモンの転送はいつでも受け付けるから、必要な時は言ってちょうだい!じゃあ、これからも図鑑完成目指して頑張ってね!ばあーい!』 「はいっ!ありがとうございます、アララギ博士!」 転送を終えると同時に、回復して元気になったポカブを、ジョーイさんとその助手を務めるタブンネというポケモンが運んできた。 「お待たせしました。ポカブはすっかり元気になりましたよ!」 「ポカポカーッ!!」 「お帰りっ、ポカブ!!」 完全に体力を回復したポカブが、ナミの胸に勢い良く飛び込んでくる。ナミはそれを笑顔で抱き締めた。 トレーナーはポケモンを愛し、ポケモンはトレーナーを愛す。これが、ポケモンと人間の在るべき姿なのだ。
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