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フレンドリィショップでこれからの旅に使えそうな道具や食べ物を購入し、準備の整ったナミは、ポカブを抱いたままこれからどう動くか考えていた。
「うーん、どうしようかな。ベルは探検に行っちゃったし、チェレンも次の街に向かうみたいだし。そういえば、さっきチェレンが言ってたポケモンジムって、私も少し気になってたんだよね。ねえ、ポカブはどうしたい?」
「ポカ!ポカポカァ!」
ポカブはやる気に満ちた表情で頷く。どうやらポカブもポケモンジムに行ってみたいようだ。
「やっぱりポカブもそう思うよねっ!きっと強いトレーナーがいっぱいいるんだろうなあ!よし、じゃあ決まり!私達も行ってみようか、サンヨウシティ!」
「ポッカァ!!」
ナミとポカブは意気込んでポケモンセンターを後にし、街の奥へ進んで行くと、遠くの方で人だかりができているのが見えてきた。
何事だろうと近付いてみると、集まっている大勢の人達の視線の先には、銀色の洋服を着た集団が、綺麗に横に列をなして並んでいた。その集団が着ている洋服の胸には、アルファベットのPの文字が描かれていた。
「....なんだろ、あれ。」
「ポカァ?」
この街にそぐわない格好の集団に興味が湧いたナミは、小走りで人だかりの方へ向かって行った。
するとそこには、よく知っている人物も他の人達と同様に、これから何が始まるのか確認すべく集まっていた。
「チェレン!ここにいたんだ!」
「ああ、ナミか。実はあの後、サンヨウシティに向かおうと思ってこの道を歩いていたら、可笑しな格好の奴等が現れてね。これから、演説を始めるって言ったんだ。一体どんな演説なのかちょっと気になっちゃって。」
「実は私もそうなの。なんなんだろうね、あの人達。」
ナミとチェレンが話しているうちに、周りはだんだん静かになっていった。
「おっ、どうやら始まるみたいだね。」
チェレンの言葉と同時に銀色の集団の後ろから、翡翠色の髪を揺らしながら、大きな男がゆっくりと歩いてきた。
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