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「僕には生まれつき、ポケモンの声が"聴こえる"んだ。」
「声って、ポケモンが何を話しているかが分かるってこと!?」
不思議な少年、Nの発言にナミは心底驚いた様子だが、チェレンはそんなこと信じられないといった疑いの目を向けていた。
「うん。僕はこれまで沢山のポケモンの声を聴いてきた。そしてそのほとんどが、自分勝手な人間達を嫌うポケモンの本音だったんだ。だから、君のポカブの言葉には凄く驚いたよ。そのポカブは人間である君を嫌っていないみたいなんだ。」
「ポカブ.....そうなの...?」
「ポカポカァ!!」
驚くナミが腕の中のポカブに尋ねると、ポカブは鳴きながら大きく首を縦に振る。その反応はNの言葉を肯定しているかのようだった。
これには流石のチェレンも驚いたが、ポケモンの声が聴こえるなどそう簡単には信じられることではない。
「でも、君達はトレーナーなんだよね?ポケモン達をボールに閉じ込めて、自分の都合だけで彼らを振り回している。」
「そ、そんなことないっ!!私達トレーナーとポケモンは支え合って生きているの!!」
「そんなの、うわべだけに決まってるよ。僕もトレーナーであることに変わりは無いけど、いつも疑問に思うんだ。そんな窮屈な所に閉じ込められて、ポケモンは本当に幸せなのかって。」
ナミの反論も虚しく、Nは早口で捲し立てる。
「僕はそんなポケモン達を救ってあげたい。そしてそのためには何が必要かをずっと考えているんだ。ナミ、って言ったね。君のポケモンの声をもっと聴かせて欲しい。そのポカブの言葉は果たして真実か。そして、ポケモンという友達のために僕は何をすべきか知るために!」
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