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「それじゃあ、三人揃ったことだし。」
大きな二人掛けのソファーにナミとベルが座り、テーブルを挟んで向かい側のソファーに座りながらチェレンが言った。
「「ナミ、誕生日おめでとう。」」
改めて友人たちに祝福されるナミ。
小さな頃から兄弟のように、ずっと一緒だった三人だからこそ、時には喧嘩もするがお互いを信じ合える。
ナミはそんな二人が大好きであり、勿論、チェレンとベルも同じ気持ちだった。
「チェレン、ベル。ありがとう!」
素直に喜ぶナミを見て、ベルも優しく微笑み、チェレンは少し恥ずかしそうに目を逸らした。
「でも、これでようやく三人とも準備オッケーってことね!?」
ベルは身を乗り出して、少し興奮気味に言う。ここ、カノコタウンでは、十二歳を迎えた子供は旅立つことを許されるのだ。
「僕とベルは誕生日が先だったからね。ずっと前からこの日を楽しみにしていたよ。」
チェレンとベルは三人全員が十二歳になった時、一緒に旅立とうとナミに言っていたのだ。
「チェレンもベルも本当にありがとね!ようやくこれでアララギ博士から……」
コンコン、ガチャ。
「入るわよ、ナミ。アララギ博士からお届けものよ?」
「「「待ってましたーーっ!!!!」」」
ナミの母親が大きなリボンの付いた箱を持ちながら部屋に入ってきた途端、三人は声を揃えて勢いよく立ち上がった。
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