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――それからしばらくウサギと、どこかの街らしき場所を歩いた。目的を探して。
「よし、ちょうどいい遊びが見つかった」
おもむろに、ウサギは前方を指差す。
――見ると、数多の人がこちらに歩いてきていた。人? 否、あれは……。
「ゾン、ビ?」
血色を失いすっかり青くなっている顔がこちらを見ている。身体中の血管が浮き出た者達の行進。脱力させた腕をぶらぶら揺らしてこちらにじわりじわりと迫ってくる人の形をしたやつらが十、二十、三十――――。
「飲み込みが早いね」
ウサギは軽く笑う。そして――どこからともなく二丁のマシンガンを取り出した。
「なにを……」
「なにを? 射的に決まっているじゃないか」
ウサギは俺にマシンガンの扱い方をざっと教えると、ステッキを捨ててそれを構えながら楽しそうに言った。
「どっちが多く殺せるか勝負だ」
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