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――血飛沫。大量の〝赤〟が前方で飛び散る。
ウサギの射撃。素人っぽい乱射。それでもいくつかの弾丸は命中する。
俺はそれを横でただ眺めていた。が、
「チッ、しまった弾切れだ! 君、援護を!」
「はっ?」
「援護だよ、早く! ゾンビに喰われるぞ!」
目前に迫るゾンビ。今にも俺を喰らおうと鋭い牙の生えた口を開けている。
俺はマシンガンを構えた。
「やっちまえ!」
そしてウサギの声援とどちらが先だったか。銃口から発射された弾丸がゾンビを怯ませる。しかしさすがゾンビ。一発や二発では精々怯む程度。
だから俺はひたすらにマシンガンを乱射した。身体にゾンビの血が掛かるのを気にもせず。
まるで踊っているみたいに弾丸の餌食になるゾンビ。
「いいぞ、その調子だ!」
それから弾の補充を終えたウサギも再び射撃ゲームに参加して、ゾンビが出現しなくなるまで俺達は引き金を引き続けた。
――――楽しかった。
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