Welcome in nightmare!

4/9
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
 ――血飛沫。大量の〝赤〟が前方で飛び散る。  ウサギの射撃。素人っぽい乱射。それでもいくつかの弾丸は命中する。  俺はそれを横でただ眺めていた。が、 「チッ、しまった弾切れだ! 君、援護を!」 「はっ?」 「援護だよ、早く! ゾンビに喰われるぞ!」  目前に迫るゾンビ。今にも俺を喰らおうと鋭い牙の生えた口を開けている。  俺はマシンガンを構えた。 「やっちまえ!」  そしてウサギの声援とどちらが先だったか。銃口から発射された弾丸がゾンビを怯ませる。しかしさすがゾンビ。一発や二発では精々怯む程度。  だから俺はひたすらにマシンガンを乱射した。身体にゾンビの血が掛かるのを気にもせず。  まるで踊っているみたいに弾丸の餌食になるゾンビ。 「いいぞ、その調子だ!」  それから弾の補充を終えたウサギも再び射撃ゲームに参加して、ゾンビが出現しなくなるまで俺達は引き金を引き続けた。  ――――楽しかった。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!