9人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
「はあー! 爽快だったな!」
真っ赤なウサギが笑う。
「どうだい? 君もだろ?」
「ああ、なかなか現実では味わえないスリルだった」
ゾンビが迫ってきて。実際に血も被って。3Dゲームもビックリの臨場感だ。
「そうだろうそうだろう」
そんな会話をして歩きながら、だいぶウサギと打ち解けた頃。
「おや?」
少し遠くに、女性を見つけた。女性はウサギを抱いている。と言っても、俺の隣にいるようなバカデカイウサギではない。一般的サイズの白ウサギである。
閑話休題。女性はじつに愛らしい、女の魅力を凝縮したような人だった。容姿といいスタイルといい、端的に言ってしまえばタイプゾーンドストライクである。
「……いいのをみつけた」
「えっ?」
ジュルリ。ウサギはヨダレを垂らし、目をギラつかせていた。
「あの女をいただくとしよう」
最初のコメントを投稿しよう!